すずきちの「◯◯オヤジ」ブログ

愛知県豊橋市在住のサラリーマン。三児の父。趣味のマラソンやカレー、PTAや自治会などの地域活動などがネタの中心です。

「帰宅困難オヤジ」ブログ【6月2日(金)長い1日】

どうも。未だに台風の接近にどこかワクワクしてしまう不謹慎なすずきちです。

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6月2日(金)、台風の接近に伴う梅雨前線の活性化で近畿・東海地方に大雨が降りました。

これは、すずきちが出社した会社を午後休暇で切り上げ、無事帰宅するまでの物語です。

 

1.会社を出発(13:00)

昼休み前、同僚からも

「JR運休するらしいよ」「帰り大丈夫?」

などの声かけをいただいていました。朝には「飯田線が13:00から計画運休する」という情報を得ていたこともあり、午後休暇を取って帰宅することに。上長に午後休暇で帰宅する旨のメールを送り、昼食を取ってから13:00に会社を出ました。

同じく午後休暇で帰宅することになった同僚は、普段チャーターバスで通勤していますが、昼にチャーターバスは当然なく、私は小牧原駅、同僚は2つ先の小牧駅へバスで向かいました。

2.犬山駅(13:50)

小牧原駅を出て犬山駅に到着、豊橋方面に乗り換える訳ですが、既に豊橋行きの電車はなく、3つ名古屋よりの国府駅までとなっていました。

飯田線が13:00から計画運休する」この意味を改めて理解しました。名鉄豊橋-伊奈間を飯田線と路線共用しています。その飯田線が13:00から運休ということは「名鉄豊橋-伊奈間も運休する」と読み換えることができます。つまり、朝飯田線の計画運休を知った時点で名鉄も運休するであろうことを察知し、出社を見合わせるべきだったということになります。

とりあえず国府駅へ向かい、妻に迎えに来てもらおうと14:07発の電車に乗りました。

3.名古屋駅(14:40)

「本日豊橋-伊奈間は飯田線運休に伴い終日運休となっております」

停車駅を出るたびにアナウンスされます。

名鉄通勤歴20年の経験値がありながら、名鉄の運休の可能性に気付けなかったことを悔やみました。しかし冷静にアナウンスを聞いて新たな事実が。

「お待たせいたしました。神宮前行き特急です」

しれっと行き先が変わっていました。

またここまでの時間に、雨雲レーダーで東三河地区が20:00過ぎまで大雨が降り続くであろうことは確認していました。近畿から東海にかけて線状降水帯が発生していると発表があったことを後ほど妻から聞くことになります。

長丁場になると判断し、より時間を潰せるであろう名古屋駅で下車することにしました。

しばらく改札付近で情報収集、様子見をしていました。妻とも連絡を取り、豊橋市内は常に土砂降り、主だった河川が危険水域到達間近であることを知りました。それでもこの時点ではまだ大事になるとは考えておらず、せっかくの名駅、しかも時間もある。カレーでしょ!ということでカレー店探しが始まりました。

4.丸亀製麺 名駅サンロード店(16:40)

カレー店を探し始めたものの、目指すカレー店の多くは17:30とか18:00に夜の営業開始。数少ない開いている店も「本日は臨時に15:00をもって営業を終了します」の貼り紙。そんな中、営業中だったのが「丸亀製麺」。今年はまだトマたまカレーうどんを食べていない。これだ。

早速店内に入り「チーズトマたまカレーうどん大」を注文。ネギと天かすをトッピング。

f:id:dq_master_intea:20230605064640j:image文句なく美味しい。カレーとトマト、チーズの相性は今さら言うに及ばず。そこに玉子も加わりもはや無敵状態。和の出汁はしっかりしていて、それでいてスパイスの風味と香りも十分感じられる。一般的なカレーうどんとは一線を画す逸品。また、残ったカレーを最後まで楽しめる「一口ご飯」の心遣いも嬉しい。

この緊急事態にのんびりカレーなんぞ食べている場合か!とのツッコミをいただきそうですが、後に食べておいて良かったと思うことになります。

5.名古屋駅から本宿駅へ(17:10)

カレーうどんを食べている間に本宿-伊奈間の運転再開のお知らせが。しかしカレーうどんを食べ終わる頃にはまた運休に。この名電長沢駅-本宿間で起きていたのは「線路への越水」。山から流れ出る水が線路にかかっているとのこと。「そのくらい、徐行で行けばなんとかなるんじゃないの?」

くらいに思っていましたが、後に伊奈駅で結構大変な状況だったことを知ることになります。

f:id:dq_master_intea:20230605191500j:imageこの写真は後に伊奈駅で撮ったものです。こんなレベルの越水では、水だけではなく、落石の危険もあるはず。そりゃ運休にもなるはずです。

もうしばらく名古屋駅で様子見を、と思っていたところ「矢作川の状況次第で、新安城までで運転を見合わせる可能性があります」との貼り紙が。これは今のうちに矢作川の向こう、東岡崎へは行っておかなければ、ということで名古屋での待機をやめて本宿駅まで行くことにしました。

名古屋駅から本宿駅まで直通で行けた訳ではなく、新安城行き急行、東岡崎行き普通、本宿行き普通と乗り継ぎ、18:10本宿駅に到着しました。

6.本宿駅(18:10〜)

妻とのやり取りから豊橋市内の梅田川・柳生川の氾濫を知りました。雨雲レーダーは相変わらず23:00頃まで大雨の予想。

「この先伊奈方面への運転再開は深夜となる可能性が高いと予想されます。ご家族に迎えに来てもらうなどの手段をご検討ください」

とのアナウンスも流れ始めました。想像を大きく超える事態である予感。

ここで新たな問題が。スマホのバッテリーです。

午後に会社を出てから情報収集などにフル活用、19:00現在でバッテリー残量は25%に。モバイルバッテリーは持っていたものの、ここまでの供給で空っぽ。本宿駅から徒歩圏内にあるコンビニを目指すことにしました。

まずはファミリーマート。モバイルバッテリーは既に売り切れ。かつてイートインだったと思われるスペースは陳列棚と化していました。店員さんに声かけし、その陳列棚のコンセントをお借りしたが通電しておらず。

次はセブンイレブン。モバイルバッテリーはやはり売り切れ。充電可能なイートインスペースはありませんでした。

隣のココカラファインにも寄ってみるとモバイルバッテリー発見!3,800円!その場しのぎで買うには高い。考えた末購入は断念。情報収集のため一旦本宿駅へ戻ります。

改めて妻と連絡を取り、「東名高速も通行止めになってるから相当時間がかかる」と言われましたが、本宿駅まで迎えに来てもらえることになりました。

7.ファミリーマート岡崎本宿店(20:10)

豊橋方面から入り易いファミリーマートへ移動しました。すると、先ほどのコンセントが復活しており、電源タップが2つ設置されていました。ありがたい。パンとコーヒーを購入し、充電させてもらうことにしました。

20:30頃、駐車場に豊橋ナンバーの車。隣にいた人のご家族らしい。

「3時間かかったよ」

3時間か…通常なら1時間かからない距離なのに。会話内容から、道中はほぼ渋滞、その多くは高速を走れないトラックらしい。妻が着くのは何時になることやら。

そんな中妻からの連絡。国道1号線が大渋滞と冠水で大変らしい。以下が妻とのLINEのやり取りです。

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さてこの先どうするか。ある程度バッテリーの充電をして本宿駅に戻り、岡崎での宿泊先を探しつつ、岡崎行きの最終便まで伊奈方面への運転再開を本宿駅で待つことにしました。

8.本宿駅再び(22:20)

ファミリーマートでの充電でスマホのバッテリー残量は60%まで回復。そういえばお腹が空いていない。16:30に食べたカレーうどんだ。腹持ちの良さに感謝。ファミリーマートで買ったパンとコーヒーは空腹ではなかったから食べていない。夜食用としよう。

23:10を過ぎた頃、

「伊奈-本宿間の線路への越水が落ち着いたため、ただいま安全確認を行っております。安全が確認でき次第、伊奈への運転を再開する予定です」

とのアナウンス。朗報だ。宿泊先も探してみたものの、手持ちの現金で泊まれる部屋もない。豊橋方面へ近づくのならそれに越したことはない。それに伊奈駅からなら歩いて帰った経験もある。目指すべきは伊奈だ。

23:40頃、運転が再開され、伊奈駅に向けて電車が動き始めました。

9.伊奈駅から国道1号線へ(0:04)

伊奈駅に到着した頃には、日付けは6月3日となっていました。伊奈駅から自宅までは12km。3時間あれば家に着く。そう思いながら駅の階段を降りるとそこには人だかり。駅前が冠水していました。

f:id:dq_master_intea:20230605062404j:image写真は伊奈駅から少し歩いた先。冠水は15cmから20cmくらいでしょうか。この中を歩いて帰ることに躊躇はありませんでした。
f:id:dq_master_intea:20230605062353j:image国道1号線、見事に水没。1号線と151号線の交差点を越えなければ家に帰ることができません。ここでも先に伊奈駅を出た皆さんの人だかり。半袖短パンの「勇者」が様子を見に行ってくれているようです。

「ダメです。これ以上は危険です」

その「勇者」が胸元まで水に浸かりながら叫びます。交差点を渡るのは諦め、151号線に沿って歩き、渡れそうな場所を見つけることにしました。

10.国道151号線沿線を東へ(0:45)

f:id:dq_master_intea:20230605062358j:image写真は1号線を跨ぐ歩道橋から見下ろした国道1号線。乗り捨てられた複数の車。もし妻が引き返さなければ、我が家の車も同じ運命だったのかもしれません。

151号線のすぐ北側の道を東に進みながら、交差点の都度、151号線の様子を見ます。「ダメだ。冠水してる」それを繰り返しながら1kmほど進んだところにローソンが。スマホのバッテリー残量も気付けば30%に。イートインコーナーや充電設備かあれば、休憩がてら充電しようと思い、ローソンに立ち寄ることにしました。

11.ローソン豊川下長山町店(1:10)

中には結構な広さのイートインコーナーがありました。「21:45まで」との貼り紙がありましたが、緊急事態ということで解放されている様子。テーブルやカウンター席に10人ほどが休憩していました。私は空いていたカウンター席に荷物を置き、夜食用のパンを追加購入。ありがたいことにコンセントとUSB端子が併設されていたので、スマホとモバイルバッテリーの両方を充電させてもらうことに。スマホのバッテリーが80%になったら出発しようと決め、休憩、腹ごしらえ、帰宅までのルートの想定・確認などをしていました。

12.ローソンから県道400号線(2:00)

2:00を回ったところでスマホのバッテリー残量が80%超え。休憩もできたし腹ごしらえもした。雨もほぼ止んでいる。意を決して出発です。

出発早々に難関。進行方向左手が傾斜になっており、かなりの勢いで道路を横断するように水が流れています。何台かの車が道を横断する水流の向こうから走ってきます。深くて渡れないわけではなさそうです。そのまま正面から水流に突っ込むと、足を持っていかれそうだったので、流れてくる方向に身体を向け、傘で足元を確認しながら横歩きで少しずつ進みました。水位は20cmくらい。油断すると転んでしまいそうな勢いでしたが無事攻略。

13.県道400号線を南下(2:30)

そのまま500mほど進むと県道400号線。151号線を見ると、交差点は冠水しているものの、機能している様子。渡るならここだ。水位は15cmくらい。車が通ると波が起きて膝辺りまで水がきます。慎重に渡り、ようやく151号線の攻略に成功。横断歩道を渡り切ると冠水はほぼ解消。ようやく帰れる道筋が見えました。あとは体力の続く限り歩くのみ。
f:id:dq_master_intea:20230605062356j:image豊川放水路を渡る際、初めて見る光景に出くわしました。豊川放水路の水位が異常に高い。こんな橋桁間近までの水位は見たことがありません。また流れも異常な速さ。改めて今起こっていることの大きさに驚かされました。
f:id:dq_master_intea:20230605062401j:imageもう冠水はないと思いきや、豊川放水路にかかる橋を渡るとまた冠水。水位は30cmくらい。膝の少し下辺りです。冒頭の写真は県道400号線の冠水の様子でした。ここから妻が冠水していると言っていた国道1号線の瀬上交差点までの1.5km、何台もの乗り捨てられた車を見送りながら、冠水した歩道を傘で進行方向の足元を確認しながら歩きました。車も走っているので、波にも気を付けて歩きました。

14.瀬上交差点から自宅(4:00)

瀬上交差点に到着。この交差点から、今歩いてきた県道400号線方向の片側と、国道1号線方向は通行止めとなっていました。国道1号線には長蛇の車列が。もちろん全く動く気配はありません。ここから国道1号線沿いに坂道を登り、豊川にかかる吉田大橋を渡れば、海抜も上がるので冠水していることはないでしょう。

吉田大橋から見える市役所には、煌々と明かりが灯っていました。きっと多くの職員が様々な対応に追われていたことと思います。本当に頭の下がる思いです。

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伊奈駅から瀬上交差点までのルートは地図の通り。国道1号線をまっすぐ進むことごできれば、6kmほどの道のりですが、今回かなりの遠回り。2km近くは余分に歩いたでしょうか。地図右下から自宅まで約6km。単純な残存体力との闘いとなります。事実、峠を越した安心感と疲労のピークから歩くスピードは極端に低下。通常なら1時間少々の距離を2時間かけて歩くことになりました。

自宅到着は5:55。ずぶ濡れの靴と靴下を脱ぎ、手持ちのタオルでとりあえず拭いた後、つま先立ちで浴室へ。足元だけ軽く洗い、部屋着に着替えてソファで仮眠しました。

15.振り返り

今回大きく迂回することになった、冠水した国道1号線。瀬上交差点から伊奈駅辺りまでが、海抜1mか2mくらいのとても低い地区でした。この区間の排水の仕組みが重要に思います。国交省の考えることですかね。

今回の大雨で川が氾濫した大きな理由は大潮だったからではないか、と思います。恐らく2日夜から3日未明にかけて潮位が最大となり、川の水の流れる先がなかったのが原因かと。豊川の氾濫を防ぐために作られた豊川放水路も、水の流れる先がなく、見たこともないような水位になっていたのではないでしょうか。

柳生川では地下水路が建設中のようです。この水路の排水先が海だとして、潮位が最大の時にも排水が可能なのか。そう考えてみると、巨大地下貯水池の方がいいのではないか。素人ながらそんなことを考えました。当然、巨大地下貯水池にどのくらいの建設費がかかるかなど、私には想像も及びませんが。

 

では。